昨年、日本でもようやく公開となった『ホテル・ルワンダ』。ベルギー資本のホテルの支配人ポールが大量虐殺に怯えるルワンダ人の救済を描いた作品で話題となりました。『ホテル・ルワンダ』はルワンダ人の視点で大量虐殺が描かれましたが、この『ルワンダの涙』は青年海外協力隊からルワンダへ派遣された教師ジョーの視点で描かれています。『ルワンダの涙』では一貫してあるメッセージが発せられています。 「なぜ国連軍は何もしないのか? なぜ虐殺を止めないのか?」 というメッセージです。 映画では「国連」や「安全保障理事会」という表現をし、明言を避けていますが、国連の平和維持軍の行動を極端に制限させたのは安全保障理事会の常任理事国の一国であるアメリカの判断です。映画に登場するベルギー軍の大尉が言っているとおり、アメリカは前年にソマリアに軍事介入したため大変な被害を被ります。アメリカ国内からの批判にもさらされ、民族間抗争を解決するために軍事介入することに非常にナーバスになっていたのです。そしてルワンダでの大量虐殺も単なる「内戦」と位置付け、傍観する姿勢を貫きとおします。 ソマリアで大量虐殺が起こり、アメリカを中心とした国連軍が介入したのが1993年の10月。そしてこのルワンダ大量虐殺が起こり始めたのが1994年の4月頃と言われています。ほぼ同時に同じアフリカの地で起こった民族対立に端を発した大量虐殺。アメリカとしてもソマリアの悪夢が蘇ったことでしょう。ですが、アメリカのその非人道的な判断のため、多くのルワンダ人が殺されます。100人や200人という人数ではありません。20万人とも50万人とも言われています。 ※ソマリア大量虐殺についてはリドリー・スコット監督が『ブラック・ホーク・ダウン』で映画化しています。 この『ルワンダの涙』、観ながら何度も泣きそうになりました。 感動したからではなく、あまりにも悲しすぎるからです。大量虐殺の原因は民族・部族間の対立にあります。ですが、その対立を引き起こしたのは一体誰なんでしょう?それは植民地としてアフリカを支配した欧州各国です。植民地統治を円滑に進めるため、彼らは殖民先の国民に自国民を支配させます。それが結果として民族・部族対立を引き起こし、そして自らの首をしめることになるのです。 会場は六本木ヒルズにある東宝シネマ(旧ヴァージン・シネマ)。都内ではそこでしか上映していませんでした。劇場内はごった返していたものの、『ルワンダの涙』の会場はガラガラ。日本では相変わらずこの手の問題に関心が無いようで残念です(公開してくれただけまだマシかもしれませんが)。とは言うものの、私一人で何か出来るわけではありませんし、こうも思うのです。 「もしも、自分があの場にいたらどうしていただろうか?何か彼らのためにしてやれただろうか?」と。 きっと何も出来なかったことでしょう。そして彼らを見捨てたことと思います。この『ルワンダの涙』では、そのような人間の本性や社会の現実がありのままに描かれています。 ある意味『ホテル・ルワンダ』よりも重い映画です。多くの人に観て欲しい映画ですね。 では、また。 <関連記事> ホテル・ルワンダ ブラック・ホーク・ダウン |
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『ルワンダの涙』を試写会で観賞
『ルワンダの涙』1月27日(土) TOHOシネマズ六本木ヒルズ他全国順次公開 (C) BBC , UK Film Council and Egoli Tossell 2005 ...続きを見る |
エミー・ファン!ブログ 2007/01/28 00:49 |
ルワンダの涙
【ホテル・ルワンダ 】に続き【ルワンダの涙 】を観ました。 1994年に起きたルワンダ内紛映画。 ...続きを見る |
美味しゅうございました。 2007/01/29 13:28 |
ルワンダの涙
昨年『ホテル・ルワンダ』で数十万人もの大虐殺(ジェノサイド)に衝撃を受けたこともあって『ルワンダの涙』は是が非でも観ておきたかった。 ...続きを見る |
古谷千秋の食い倒れ日記 2007/02/03 19:46 |
ルワンダの涙
その悲しみは心濡らした。アフリカの大地で起こった20世紀最大の悲劇。生きるための選択がそこにはなかった。100日で100万人が殺害された「ルワンダ虐殺」真実の物語。 1994年4月6日の夜、アルーシャを介とした停戦協定を結ぶために、フツ族出身のハビャリマナ... ...続きを見る |
パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ 2007/03/06 12:30 |
映画『ルワンダの涙』を観て
19.ルワンダの涙■原題:ShootingDogs■製作年・国:2006年、イギリス・ドイツ■上映時間:115分■鑑賞日:3月3日 TOHOシネマズ六本木ヒルズ・プレミア・スクリーン(六本木)■公式HP:ここをクリックして下さい□監督:マイケル・ケイトン=ジョーンズ□... ...続きを見る |
KINTYRE’SDIARY 2007/03/06 23:35 |
映画「ルワンダの涙」見てきました。
いつもおせわになっているKさんのオススメルワンダの涙を見てきました。この映画単館系で首都圏で5館しかやっていなくて、なかなか見に行く機会がなかったんですけど、ようやくです。 ...続きを見る |
よしなしごと 2007/03/06 23:49 |
ルワンダの涙 (T_T) Shooting Dogs
「ホテル・ルワンダ」に続く、ルワンダでのジェノサイド事件を取り上げた作品がまたひとつ作り上げられた。それが『ルワンダの涙』である。 映画の構想が生まれるまで この映画の製作者でもあり、共同執筆者でもあるデヴィッド・ベルトンは自分自身のルワンダでの体験から、この映画の原案を思いついたという。BBCの夜のニュース番組の報道記者であったベルトンが、取材でルワンダに行き、実際目にしたツチ族とフツ族が血で血を洗う抗争の様子を目の当りにしてきた。その紛争から逃れるために、ベルトンと取材一行は、ヴェジェコ... ...続きを見る |
銅版画制作の日々 2007/06/08 00:25 |
ルワンダの涙@我流映画評論
今回紹介する映画は、実際に起こった惨劇を描いた映画『ルワンダの涙』です。 ...続きを見る |
ジフルブログは映画・音楽・札幌グルメを紹... 2007/10/14 21:11 |
『ルワンダの涙』映画レビュー
『ルワンダの涙』を観ました。 ツチ族とフツ族による紛争の中、生きる人々、救う人々、救いたくても救えない人々を描いた作品です。 『ブラッド・ダイヤモンド』と並んでアフリカの現状を知るきっかけとなる素晴らしい作品です。 映画としての出来よりも、取り上げている内.. ...続きを見る |
E と U だけのブログ 2008/05/31 00:25 |
映画評:ルワンダの涙
――1994年4月6日の夜。 公立技術専門学校の英国人教師、ジョー・コナーは、駐留している国連軍たちと一緒に、サッカーの試合をテレビで観戦していた。 そんな最中に、事件は起きた。 大統領の暗殺。 フツ族による虐殺が、今まさに始まろうとしていた。 二人の学校の教師。 左・ジョー。右・クリストファー。 ...続きを見る |
映画と写真のブログ 2009/01/26 19:20 |
『ルワンダの涙』を観たぞ〜!
『ルワンダの涙』を観ました1994年にルワンダで起きた凄惨な虐殺と、この悲劇を黙殺した西欧諸国の対応を、当時BBCの報道記者として現地にいたデビッド・ベルトンが共同執筆し、実話をもとに西側の視点から描いた衝撃のドラマです>>ルワンダの涙』関連原題: SHOOTINGDOG... ...続きを見る |
おきらく楽天 映画生活 2009/04/24 08:34 |
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